幼い頃、虚弱体質だった私は、おばぁちゃんに連れられて二日に一回は病院に通っていた。その帰り道に、出前もしているラーメン屋さんがあった。着物に割烹着をきたおばさんが、愛想よく対応してくれていたのを覚えている。私の祖母は、大正生まれだったが、中華蕎麦が大好物だった。病院へ行くと、お昼ご飯は必ずその店で食べた。幼稚園に行くかいかないかの子供でも、一人前しっかりと完食していた。三つ子の魂とはよく言ったもので、私は今もって中華蕎麦が大好物だ。
田舎では、冬が来るとよく雪が降って、風邪を引いている子供は外には出れなかった。共働きの両親が揃う午後は珍しい家で、出前をよく取ってもらった。おばぁちゃんと日参して通っている事は、二人だけの秘密だったので、両親は、熱をだしている末っ子の好物を奮発してくれていたようだ。「お待たせしました」と勝手口から声がすると、いい香りが漂って、風邪を引いていることなど二の次になっていた。
あれから何十年の時が立ち、祖母は亡くなり、自宅が職場になった母がいる実家には、姉が毎日子供連れでやってくる。雪が降る季節に帰省すると、必ずあの店に行き父と甥っ子達とラーメンを食べる。どうやら、父と末の甥っ子は常連らしい。少し笑ってしまった。自宅で仕事をしている母と姉は一緒に行く事ができないので、時々私も一緒に出前を注文する。玄関のチャイムがなると、年代物の桶ばちをもった、おばちゃんに似た大将が、「お待たせしました、ラーメンです」いい香りがするのだ。
出前をしている料理にはラーメンなどの中華料理から、そばやうどん、寿司に至るまで多種多様です。しかし飲食店によっては出前をしていない店もあります。出前をしない理由はいろいろあると思いますが、まず考えられるのは、料理はお客の顔を見て調理をして出したいと考えて、出前をしない主義を貫くタイプです。そしてもうひとつ考えられるのは、出前をしてくれる人材がいないという理由です。特に飲食店は個人経営が多いので、2人か3人程度で営業している場合も多いのです。
今の時代、様々なものが出前で家に届く。出前と言えば、寿司かラーメンやそば、丼物ぐらいしか思いつかない。まあ近所の飲食店でメニューとして提供されるものは、ランチタイムや深夜を除いてはたいてい出前してくれた。電話一本かけて注文すれば、飲食店で食べられる同じメニューをそのまま家に持ってきてくれるデリバリーサービスは確かに便利である。どこの国でも「出前」は都心部の飲食店にあり、店に出かけなくとも同じ味が自宅で楽しめる食文化である。
独り暮らしのアパートの郵便受けに、近所の飲食店のチラシが良く入っていることが多かった。
最近出前を頼むことがなくなりました。なぜかといえば、出前は高いからです。店舗を持っているお店だと、どう考えても出張費を上乗せされているので使う気になりません。景気の良い状況であったら、給料の面から出前を使うことに抵抗はないかもしれませんが、こんな時代だと出前は衰退してしまうのではないでしょうか。景気と出前は一体なのではないでしょうか。出前がもっと気軽に使える状況になってほしいと思っています。
昼食や夕食を作るのが面倒なとき、出前を頼むことがよくあります。出前をしてくれる食べ物の種類はとても多くて驚くほどですが、昼食であればラーメンや炒飯などの中華料理が多いと思います。その一方で夕食にはうな重や握り寿司などを注文することが多いです。またパーティーなどの時にはピザを頼むこともよくあります。外に出かけられないときには出前は本当に便利だと思います。しかしもっといろいろ出前をして欲しい食べ物も実はあるのです。
出前というと、お蕎麦というイメージを強くもつ人が多いでしょうか。刑事ドラマをよくみる人は、カツ丼のイメージでしょうか。出前は江戸時代から続く、日本の食文化に深く根を生やしたシステムです。最近では出前と一口にいっても、様々な種類のフードサービスが提供されています。出前というと、少し割高だというように考えがちですが、長引く不況で、なかなか先が見えない昨今では、内食が見直されてきた関係から、出前がじわじわと人気を上げてきているそうです。